歩くとは?
歩くとは、足で移動することを言います。
この移動手段は、「支える」「浮かす」を左右の脚で交互に繰り返すことで成り立っています。
それは、右脚で支えているときは左脚を浮かし、右脚を浮かしているときは左脚で支えているということです。
躓く原因とは?
大きく分けて2つあります。
A.個人因子
B.環境因子
個人因子とは、例えば障害物がないにも関わらず躓いてしまう場合です。
環境因子とは、例えば段差などの障害物を越えるときに予測していたよりも障害物が高く、躓くといった場合です。
環境因子は、様々な環境に適応しなければならない状況で重要で屋外を含めた生活自立度との関係が強いと言えます。
今回は、この環境因子についてお話ししたいと思います。
環境因子としての躓き
段差などの障害物に躓く理由として、脳の科学の知見を一つ紹介します。
それは、
人が障害物を跨ぐときに、障害物に視線を向けるのはそこに到達する2歩前までであり、障害物を跨ぐ1歩手前の時点では視線はすでに障害物のさらに前方に向けられる
というもの。
障害物が複数ある状況や気が散りやすい状況があると、障害物の認識を誤認し、誤った運動指令を筋肉に送ってしまうことがあるのです。特に、認知症や脳の病気があると周囲環境の情報を正しく処理できないといった問題が生じます。
脳の問題だけれど、改善するのか?
運動の学習を繰り返すことで、改善することができます。
ただし、脳の全般的な機能低下がある認知症の場合は、改善に時間がかかるか、或いは改善度が低くなることがあります。しかしある程度障害物が越えられるだけの移動能力が維持されているのであれば、改善の見込みも高いと言えます。
脳で処理した情報を基に作られた運動指令が、実際の環境に合ったものだったのか、合わないものだったのかを気づかせる課題が最適です。
例えば、障害物を前に順番に並べて、それを越えて歩くような課題を2週間以上繰り返すことをお勧めします。
成功率は7割程度を越えるくらいを目安に実施すると良いでしょう。
まとめ
歩いている途中で躓く原因を分類し、その中でも環境因子についてお話ししました。
躓きには、障害物を越えるときのように環境に適応できないことで生じるものがあります。
これは予見的な情報からこれくらい脚を挙げればよいだろうという指令を筋肉に送ることで行われます。
環境因子の問題では、事前に筋肉に送られた運動指令と実際動いてみて受けた情報を一致させるよう気づかせることが大切です。
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