脚を楽に振り出す方法
麻痺のある方の典型的な脚の振り出し方
まず、麻痺のある方の脚の振り出し方についてご説明します。
麻痺があると、非常に脚全体が重く円滑に脚を前に運ぶことが難しくなり、以下のような特徴が現れます。
脚の重さに負けて、麻痺側の脚を引きずりながら全身で脚を引き上げるように歩く
脚の重さに何とか勝つが、外から振り回すように歩く
脚の重さに勝てるが、歩幅が広がらず歩くのに疲れが出る
麻痺があると、歩くのに大切な対称性やリズムが乱れてしまい、非効率な歩き方になってしまいます。
脚を楽に振り出すメカニズム
要となるのは、股関節と足関節
今歩き方がどうなっているか確認しましょう。
腰(骨盤)ではなく、股関節がよく動いているか
膝が外に向かず進行方向にまっすぐ振り出せているか
腿を前に出すとともに、足で地面を蹴れているか
ついつい、足を躓くまいと足全体を持ち上げてしまう方が多いのですが、それでは腰に負担がかかるだけでなく、歩幅が広がらず疲れやすいと思います。
また、腰で持ち上げなかったとしても、腿を上に上にと持ち上げてしまうと、これもまた足の付け根が疲れやすくなります。
どうすれば良いか?
提案は2つあります。
・腿を上ではなく前に振り出すこと
・振り出す直前に足で地を蹴ること
この2点のタイミングがばっちり合うと、局所にかかる負担が分散できることになります。
また股関節と足関節が上手く使えれば、以下のように自然と膝も円滑な動きができるのです。
なぜか教えてくれない脚の振り出し指導の穴
臨床現場で療法士に教えてもらう中で、
先ほどの、足の蹴り出しも穴となる部分ですが、実はもっと根本的なことがあります。
それは、反対側の脚です。
今回の主題は、脚を楽に振り出す方法ですが、歩く目的から見直すことで大切なことが見えてきます。
効率良く歩く=歩幅を広げ、より速く、より遠くに移動する
歩幅を広げる=後脚と前脚の距離を遠くできること ⇒前脚の動きだけで成立しているわけではない
これまで脚を前に前にとばかり考えていませんでしたか?
標準歩行からみると、脚を前に出すのに必要な股関節の動きは前に20°、後ろに20°です。
前脚がある程度浮かせるのであれば、あとは後脚で地面を後方に押せば思いのほか歩幅は広がるものです。
ぜひ参考にしてみて下さい。
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おむすび (土曜日, 29 8月 2020 03:46)
私の状態は、足関節は随意的に動かせないので、地面を「蹴る」、踵から着地させる動きができません。(短下肢装具使用で)