高次脳機能障害のリハビリ
高次脳機能障害とは
脳の損傷によって起こされる様々な精神活動上の問題を総称したもの。
考え方
高次脳機能障害を改善するときの考え方として、上の図が参考になります。
図は人の精神活動を階層構造に分けたものです。
下層は、呼吸・循環→意識・覚醒→運動・姿勢→摂食・嚥下→呼吸・循環・・
中層は、抑制→意欲・発動性→注意・集中→情報獲得→記憶→遂行機能→現実感→見当識→抑制・・
上層は、潜在・習慣化・代償での構成される奏和
ここで大切なことは、高次脳機能にあたる中層・上層の下に低次脳機能があるということです。
低次脳機能
高次脳機能に比べて、聞き馴染みのない言葉だと思いますのでご説明します。
呼吸・循環、意識・覚醒、運動・姿勢、摂食・嚥下で構成され、それぞれが関連を持っています。
例えば、
息を吸うと体内に酸素が取り込まれます。取り込まれた酸素は血流にのって、脳を含めた全身の細胞に運ばれます。
脳に酸素が十分行き渡ると、目が覚め、意識がはっきりとすることで気持ちがシャキッとしてきます。
そうすると、自然と姿勢が伸び、身体を動かす準備が整ってきます。
姿勢が伸びることで飲むことや嚙むことを楽にするとともに、身体を動かすことで食欲を増進します。
食事をすると、代謝が活発になり、呼吸や血液循環を促進します。
このように、低次脳機能は健康な身体作りの基礎とも言えるものです。
高次脳機能の基盤となるもの
高次脳機能を語る前に、考えてみましょう。
低次脳機能を鍛える、つまり健康な身体作りによって、得られるものはなんでしょうか?
それは、身体の耐久力です。
では次に、「身体の耐久力がある人」を思い浮かべて下さい。
分かりやすい例は、スポーツ選手かもしれません。
身体がタフなスポーツ選手達は、精神的にもタフな印象がありませんか?
辛い練習にも耐える気持ちがあり、運動能力向上に意欲的で、集中力をもってトレーニング励むことで、高いパフォーマンスを発揮できる。
この考え方は、うつ病をもつ方に運動を進める理由にもなります。
高次脳機能障害を克服するには身体の耐久力をつけることが重要である、ということがお分かり頂けるかと思います。