細かい動きを自分で改善するための糸口

脳卒中の代表的な後遺症は「運動麻痺」です。

 

運動麻痺とは、

運動に関わる脳神経線維が傷つくことによって思い通りに身体を動かせない状態です。

 

リハビリでは、麻痺した手足を早期から積極的に動かしておかないと良くなるどころか、機能が衰えて使えなくなると言われます。

 

それを聞いた患者さん達は、少しでも能力を回復しようと何とかして動かそうと努力されます。

しかし、動かそうと思うけれども、思い通りに身体を動かせないのが運動麻痺です。特に発症直後は「動け、動け」と強く念じても、手足が全く動かないということは多くの脳卒中を発症したほとんどの方が経験していることだと思います。

 

 

「思い通りに動かせない」状態とは?その改善方法とは?

 

まず、状態を3つに分けてみます。

①力が入っているかわからないし、関節が動かない。

②力が入っている気がするけれど、関節が動かない。

③力が入っており関節が動くけれど、どれくらい動いているかわからない。

 

このような状態を改善するには、どのように動きを感じられるかが非常に大切です。

 

例えば③のように関節が動いているのであれば、

眼で確認して運動のイメージと実際の運動の誤差を少なくしていきます。

この場合は、自分で動きが確認できるので自主トレーニングが容易となります。

 

しかし①②のように感覚も乏しく、関節が目に見えて動かない場合は、

やみくもに練習しても眼で動きを確認できないので、動かし方を覚えなおすのに有効なトレーニングには繋がりにくいと言えます。

 

そこで、有効な自主トレーニングに励んで頂くために、

手首を掌側に曲げる運動を例にとって、以下の3つの対策を説明します。

 

対策A.重力に邪魔されない運動方向で動かしてみる

「小さく前に倣え」するときのように掌を内に向けた位置で、手首を動かす。

 

対策B.鍛えたい筋肉を引き延ばした位置で力を入れてみる

まず対策Aと同様の位置から、運動する側の手の指を反対の手で持って手の甲側にギュッと反らして下さい。もしかしたら腕の掌側の筋肉が引っ張られたのを感じられるかもしれません。では引き続いて、反らした位置で手首に力を入れてみます。動きが感じられればそれが手首の動きを改善する糸口となります。小さな範囲から動きの幅を拡大していってください。

 

対策C.肩、肘など動かしやすい関節から動かしてみる。

感覚がなく、手首の力を入れる方法がわからない方でも、肩の運動や肘の運動といった比較的力の入りやすいところを動かしていると、無意識に手首に力が入る場合があります。もしそうした動きを発見したら、それが手首の動きを改善する糸口となります。

 

まとめ

・脳卒中の後遺症「運動麻痺」の本質は“思い通りに身体を動かせない”こと。

・手のような細かさを求められる動きを改善するには、動かす感覚を眼や皮膚などから感じ、かつイメージできることが大切です。

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