前回記事から引き続いて
本来、歩くという動きが如何に力に頼らずに行われているか
ということをお伝えしていきます。
まずは下の動画をご覧ください。
0:25から実際のロボットの動きを観ることができます。
このロボットの一番の特徴は、
❝無動力❞ = 特別な動力源がない
という点です。
このロボットの基本構造は、人間と同様に骨盤、太もも、脛、足部にあたる支柱をもつにも関わらず、人間の筋肉にあたるモーターを備えていません。
(余談)名工大の佐野教授にお尋ねしたところ、
膝に当たる連結部にも動力源はなく、ダンパーが入っているだけだそうです。なので、体重をかける軸がズレれば簡単に膝折れもします。
それにしても、脚の運びが非常に自然で理想的な動きをしていますね。
これを人間に応用するに当たり、ポイントは4つあると考えます。
①足の着く位置
②骨盤から上の身体が進行方向に移動する速度
③骨盤から上の身体の安定性
④股関節、足関節の柔軟性
細かな動きを能動的に行うのが難しい、運動麻痺を患った方の歩きに対しては、脚を持ち上げることを強いることよりも、もっと受動的で自然な動きを求めることが実用歩行獲得の近道ではないでしょうか。