練習量を無理なく増やす方法

「訓練量の増加が能力低下の回復を促すことに有効」

 

これは数々の研究報告から効果が実証されており、狙ったところに対してどれだけ反復練習できるかが機能回復の鍵だとも言えます。

しかし、思ったように動かない身体を使って反復回数をかせぐことは、

集中力を必要とする分、神経をすり減らし、続けることが難しいというのが実際のところ。

 

そこで参考にしたいのが、この報告です。

下肢麻痺筋に対する機能的電気刺激やペダリング運動は歩行能力の向上や、筋
再教育に有効であり、通常のリハビリテーションに加えて行うことが勧められ
る(グレードB)

→電気刺激治療器の使用、自転車駆動運動を薦めている

 

◇電気刺激

脳卒中の病態は、一言でいうと脳内の電気信号の通行止めが起こること。

例えば脳からある筋肉まで指令を送る電線が10本ある内の5本切れてしまい、

残りの電線でもって指令を送らなければならないので、

場合によっては信号が届かず、筋肉が働かない、力が弱いといったことが起こっています。

その通行止めを通り過ぎれば電線に障害がなく、電気信号は円滑に流れる。

ということは、

体表から害のない強度の電気刺激を流せば

狙ったところの筋肉を強制的に働かせることができるということ。

それは、筋肉の不使用による筋肉の萎縮を防ぎ、筋力を維持、向上させることを助けます。

ちなみに低周波・中周波治療器は一般に使用されているものでも代用できます。

なにも病院でなければ使えないものではありません。

電気治療器の電極の貼付場所や強度は調整が必要ですが、

使用を検討する価値はあると思います。

低周波治療器:浅部の組織に電気刺激が与えられる
中周波治療器:深部まで電気刺激が浸透する

ただし、使用する上では適応と禁忌がありますので必ずそれを確認してから実施して下さい。
禁忌例)心臓ペースメーカー装着者や重篤な心疾患を持つ人 など


◇ペダリング運動

自転車トレーニングは、交互性、対称性のあるリズミカルな脚の動きを促すという点で歩行能力改善に有用と言われており、非麻痺側脚で麻痺側脚の回転運動を補助することができるというのが特徴です。

訓練量が大事という点を振り返ってもらうと、

非麻痺側脚で手伝い過ぎて麻痺側の努力をしないというのはナンセンスです。

ペダリング運動では脚の動きを目で見て感じやすいからこそ、

左右対称の動きを目指して動かしてもらいたい。

また、非麻痺側といえど、

神経連絡の一部損傷や体力低下が生じていることが多く、両方の脚をトレーニングできる点は強みです。また、自転車運動は座った姿勢で行えるので、

安全管理がしやすく、速度やペダリングの重さを調整することで筋力トレーニングも持久力トレーニングも選択できるという点は自主トレーニングに適しています。

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