日本には昔からこういった諺があります。
『可愛い子には旅をさせよ』
読み:かわいいこにはたびをさせよ
意味:我が子が可愛いなら、親の元に置いて甘やかすことをせず、
世の中の辛さや苦しみを経験させたほうがよいということ。
生物には元来、環境に適応する能力があります。
人は環境に学び、人格を育み、その社会に属し、どう生きるかを考えるのです。
また、
経験したことのあるスポーツはできるけれど、
未経験のスポーツはからっきしということは
誰しも経験したことがあるでしょう。
これも環境が与えたものといえるのではないでしょうか?
人は常に環境から様々な刺激を受け取り、
感じ、考え、反応・行動しています。
周囲からの刺激が人の行動のもとになるといってもよいでしょう。
心地よい音楽が流れればそれに耳を澄ますように
快適な刺激は、その行動を強化します。
脳を活性化したければ、リハビリにおいても、ただただ単調な筋トレだけを行うのではなく、さまざまな環境・状況で運動を行う必要があるのです。
環境の重要性は、ラットを使った研究からも明らかになっています。
ラットを3つの異なった環境(A標準の環境、B刺激の乏しい環境、C刺激の豊富な環境)で飼育すると脳神経の枝の数がCの環境で最も増加する。
津本忠治:脳と発達 - 環境と脳の可塑性(シリーズ 脳の科学). 朝倉書店, 1996より引用