脳卒中患者に限らず,体力低下を防ぐためには有酸素運動が好ましい。有酸素運動は,脳卒中患者の最大酸素摂取量を向上させ,歩行能力も改善する。【GradeA-4】
(Pang MY, Eng JJ, et al. : The use of aerobic exercise training in improving aerobic capacity in individuals with stroke:a meta-analysis.Clin Rehabil.2006;20:97-111.)
(Lee MJ, Kilbreath SL, et al.:Comparison of effect of aerobic cycle training and progressive resistance training on walking ability after stroke:a randomized sham exercise-controlled study. J Am
Geriatr Soc.2008;56:
976-985.)
最大酸素摂取量とは、運動中に体内に摂取される酸素の単位時間当たりの最大値のことを言い、心肺機能を示す指標となっています。
有酸素運動の代表的なものとしては、「スイミング」「ウォーキング」「ジョギング」「サイクリング」などが挙げられます。
有酸素運動と無酸素運動の違いは何か?とよく質問を受けますが、
それは、、、
「運動中に息切れがあるかどうか」
が分かれ目です。息切れが出始めるというのは、代謝が有酸素的から無酸素的に変わってきた証拠。筋肉のエネルギー消費に必要な酸素供給が追いつかなくなり、血液中の乳酸が急激に増加し始めたということを意味します。
つまり、有酸素運動を行うには、運動強度を❝息が弾み始めるまで❞に設定する必要があるということなのです。